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結局、何? 給付付き税額控除--消費税0%・定額減税・ベーシックインカムとどこが違うの?

 

給付一本化される予定の給付付き税額控除。6月には中間まとめ案が出ます。

「どうせ、年数万円の給付でしょ、あまり影響ない」

――そう思う方、では、消費税0%になったらどうですか? 特に食料品にかかる分がゼロ。これ大きいですよね。じつは、消費税と給付、ここでつながっているんです。

4万円減税か、4万円給付か。――非課税世帯も現金給付。この物価高、ちょっとインパクトがありますよね。

 

そこで中間まとめ案が出る前に、消費税、定額減税、給付付き税額控除、そしてベーシックインカム――今回は関連するこれらを一気に整理してみます。

 

 

 ■ 消費税ゼロと給付どっちが得?

政府は「消費税0%」は、給付付き税額控除恒久化のための2年間のつなぎだと言っています。さらに、この0%も1%になる方向ありという報道もあります。

0%だとシステム改修に1年以上かかる、1%なら3~6カ月くらいで可能ということです。

今は、その是非は問わず、「なぜ消費税減税が給付付き税額控除につながるんだ」ということですね。

それは予算5兆円という数字です。1人当たりの食料品にかかる消費税は月いくらだと思います?

約4万円だそうです。この分を現金給付すると、4万円×人口1億2500万人で5兆円。つまり、帳尻合わせです。ただ、この給付額、まだ確定ではありません。

「早く消費税をゼロにしろ」という人。一方で現金給付については「結局、年4万円ぽっちか」という人。いろいろいます。

でも、皆さん、考えてみてください。同じ4万円なら、消費税をゼロにしてもらうのと、現金で4万円もらうのと、どちらが得だと思いますか? ずっと食品消費税ゼロがいいですか?

両方はありません。なぜなら、給付付き税額控除が制度化されると、消費税はまた「ゼロからの増税」になるからです。

 

■ 消費税0%と給付付き税額控除の違い

では、仮に同じ4万円として影響の違いを見てみましょう。

「消費税0%は広く薄く、給付付き税額控除は所得が低い人を焦点に厚く」ということが見て取れます。

 

項目

消費税0

給付付き税額控除

対象

全員

中・低所得者中心

恩恵

高所得者ほど大・購買するほど大

必要な所得層に恩恵集中

再分配効果

小さい

大きい

給付方法

減税

現金給付

 

どちらの制度も生活が厳しい人ほど恩恵が大きい。

では、高所得者層の方は給付付き税額控除についてどう思いますか?

「自分には恩恵がないから関係ない」

――そうとも言いきれません。

重要なのは「この5兆円の財源はどこから来るのか」

今後、高所得者層を含めた「負担のあり方」や「税負担の構造」にまで議論が波及する可能性があるのです。

 

■ なぜ「給付一本」に?

ここで1つ大きな疑問が残ります。散々、公平性のために税額控除が必要だと言ってきたのに、なぜ今さら、「給付一本化」でいいという話になったのか?

国民会議の発表によると「設計が複雑すぎて手間がかかるから」。

――え? 今ここで? 裏を返せば、税と一体化して公平性を担保する努力を放棄したのかとも取れます。では、この簡略化が私たち国民にとってどう影響するのか。

この表を見てください。今の段階ではまだ給付一本化が決定ではないことを前提としてお話しします。

 

項目

給付付き税額控除(本来案)

給付一本化(暫定案)

制度の根拠

税制(法律)に組み込まれる

予算(政策)でその都度決定

信頼度・安定感

高い(恒久化が検討されている) 

低い(政権判断で変更・廃止が可能)

所得の反映

課税所得と連動し正確

自己申告や審査により変動リスク

手続き

税と一体化で簡便

申請・審査が必要で煩雑

国民の不安

制度が複雑で理解しづらい

給付設定基準(定額・逓増・逓減)のあいまいさ

 

国民会議では給付一本化でも「給付が逓増・逓減で税額控除と同じ効果を出す」と言っています。理論上は確かにそうです。

でも、理論上は同じ効果が出せても、それを正確に、

「低所得層に漏れなく届ける」という運用の難易度となると、じつは給付単体の方が遥かに高いのではないか。

税額控除ならマイナンバー等で「課税所得」と直結しています。給付のみだと、給付の逓増から逓減に転じる「ピークの所得」はどこに設定されるのか。ここが中・所得層の命運を分けます。

逓減の傾斜によっては、「働けば働くほど給付が減り、手取りが増えない(あるいは減る)」という、いわゆる「低所得者の壁」が顕著になります。

税額控除には「勤労性収入」を条件にする議論がありました。給付のみの場合、条件設定を厳しくすれば「本当に困窮している世帯」に届かなくなります。

いずれにしろ、中間まとめ案ではどう出るか。

 

■ 定額減税と何が違う?

「それを言うなら、定額減税だって同じでは?」

――そこがややこしいところでもあり、給付付き税額控除の特徴が現れるところです。

 

【定額減税との違い】

項目

定額減税

給付付き税額控除

恒久制度化

なし(単発)

あり(継続)

対象

課税世帯

中・低所得層、非課税世帯

非課税世帯の恩恵

恩恵なし

非課税世帯も恩恵あり

現金給付

控除しきれない分は給付なし

控除しきれない分を現金で給付

定額減税では控除しきれなかった分が給付されないため、非課税世帯は恩恵を受けにくいという課題がありました。課税ラインのすぐ上にいる世帯にも支援が届かないという不公平感があったのです。

一方、給付付き税額控除は、所得に応じて控除と給付が連動する仕組みで、控除しきれない分を「現金で給付」する点が最大の違いです。
これは、所得税がゼロの非課税世帯なら、控除額の全額が現金で受け取れる仕組みです。

特に年金受給者で働く方への現金給付。手続き一つで守られるか、切り捨てられるかの瀬戸際にもなります。決して、現役世代だけの話ではありません。

 

■ ベーシックインカムと何が違う?

こういう声もあります。「これ、ベーシックインカムと何が違う?」

――確かに、給付付き税額控除を「部分的べーシックインカム」という有識者もいます。

では、給付付き税額控除と本来のベーシックインカム、その違いは?

【ベーシックインカムとの違い】

項目

給付付き税額控除

ベーシックインカム

対象

中・低所得者中心

勤労性収入で議論中

全国民に一律

所得制限

あり  中所得者以上は逓減・消失の議論あり

なし

所得に関わらず支給

財源規模

5兆円規模(1人年4万円案)

100兆円規模(1人年7万円案)

実現性

制度成立を前提に議論中

現実的にハードル高い

既存制度との関係

税・社会保障制度に組み込む

既存制度の多くを統合・廃止する構想

 

簡単に言うと、「必要な人への給付」「全員への給付」の違いです。

給付付き税額控除は、国が現金給付を通じて生活を支える仕組みを広げていく方向性の中で考えられています。

そう考えると、将来のベーシックインカム論につながる布石なのか。それとも全く別の制度なのか――。ここでは深く問いません。

 

■ 政府の目指すもの

ここまで聞いて、「結局、政府は何をやりたいの?」――そう思いませんか。

実は、給付付き税額控除の本質は、4万円給付か、消費税0%か、という話だけではありません。

日本はこれまで、年金、健康保険、介護保険、こうした社会保険を中心に国民の生活を支えてきました。

しかし今、非正規雇用、単身世帯、子育て世帯が増えています。社会保険だけでは支えきれない。

これまで社会保険料を一生懸命払ってきた人たちが損をする仕組みにならないか? という懸念の声もあります。

そこで政府は、税金を使った再分配を強化しようとしているわけです。それがどう変わるのか。注目です。

 

■ まとめ

「給付一本化」という簡略化こそが私たちにとって最大の落とし穴になり得るのではないでしょうか。「その線引きは公正か?」という目で、中間まとめ案の発表を待ち構えてみたいと思います。

そこで、はじめの問いに戻ります。

「消費税ゼロ? 給付一本化? 消費税ゼロのままでいいんじゃない?」という声があります。

――注目すべきなのは「所得制限のライン」です。ここが年収いくらで引かれるかによって、恩恵を受ける世帯が全く変わります。

中間まとめ案が出たら、具体的に誰が得をして、誰に影響が出るのか、詳しく解説したいと思います。

前回の動画も参考になりますのでぜひご視聴ください。

2026.06

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