長生き時代のライフ&マネープラン

2000年に生まれた人は、普通に健康であれば半数の人が100歳まで生きるという調査があります。いよいよ「人生100年時代」が来ています。

 

あなたはこれからの働き方やお金の準備ができていますか? 

まずは単純化モデルから問題点を探り、そこから詳細なプランを積み重ねていきましょう。

 

以下は、一般的なサラリーマン夫婦の定年退職後の例です。 

 

サラリーマンの定年後には3段階の「引退」がある

①「前引退」 60歳~65歳
60歳で継続雇用となっても、形式上は「引退」と考える。
退職金が支給されるうえ、雇用・給与体系は別契約となるため。
現在65歳まで雇用継続が保証されている。収入は定年前給与の5~6割が一般的。

 

②「準引退」 65歳~75歳
将来的には70歳雇用まで延びる見込みあり。
収入は一般的に「前引退」の1~2割下がる 。
 
③「完全引退」75歳以降
もはや働かず、趣味や娯楽、生きがい、友人や家族との生活が中心となる。
心身が健康でなくなっていく時期 ⇒ 「終末」への準備時期となる。

 

各引退段階での生活設計(1)

●前引退(60~65歳)

・60歳時の貯蓄は500万円

・夫の収入は現役最終の6割 ⇒ 月額30万円(手取り約24万円

・妻のパート収入は月額6万円(65歳まで働く) ・夫婦同年齢、子は独立

・退職一時金はローン完済に全額充当、生活費は月額35万円

            ⇒ 月額5万円の不足 35万円-(24万円+6万円)

30万円給付金で生活する

高年齢雇用継続給付」で給付金が月額45,000円(65歳未満、給付額は退職前の収入金額による)

 

各引退段階での生活設計(2)

●準引退(65~75歳)
収入減額となり月額24万円(前引退の8割 手取り約20万円) 
生活費は月額32万円で固定 ⇒ 月額12万円の不足 

・65~70歳    ⇒ 不足分は妻の年金月額6万円貯蓄2万円を充てる

       ⇒ 夫の年金(月額18万円)は70歳まで繰下げ(在職老齢年金は対象外となる)
       ⇒ 5年繰下げで本来受給の142%で月額25.5万円となる

 

・70~75歳       ⇒ 夫婦の年金31.5万円(夫25.5万円、妻6万円)と貯蓄取崩しで生活する

 

各引退段階での生活設計(3)

●完全引退(75~100歳)
・月額36万円の生活費で固定(準引退の2割増) ※医療・介護・養護を考慮 

  ⇒ 総額1億800万円36万円×12カ月×25年)必要

・夫婦の年金受給額は月額31.5万円(夫18万円×1.42+妻6万円)

  ⇒ 総額9,450万円(31.5万円×12カ月×25年)となる

★100歳の寿命で不足額は1,350万円(1億800万円-9,450万円) ※額面上の不足

★不足分の月額4.5万円(36万円-31.5万円)は資産を取崩していく 

●キャッシュフローで、シミュレーション結果をみると、次図のようになります。

※実際のキャッシュフローでは税金・社会保険料を考慮の上計算しているので、上記とは差異が出ています。

 

必要資金と不足資金の把握

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・運用しない現状プランでは、90歳で資金がなくなります

100歳まで生きるためには75歳時点2,100万円の資金が必要です。

 

必要となる資金2,100万円のうち、夫婦の年金受給の収入だけでは不足する資金が、前記の1,350万円となります。

 

完全引退のための資金目標

【資金目標】

・60歳時点の資産500万円を60歳から運用します。(全額一括運用)      

     ↓     

・75歳から100歳まで毎年60万円(月額5万円)を資産から取り崩し補充します。

        ⇒ 1,350万円(上記完全引退での不足額)÷25年=54万円(≒60万円)

・毎年60万円を75歳から100歳まで取り崩していくためには

         運用利率4%であれば75歳時点で940万円の運用資産があればいい

・60歳時点の500万円を60歳から75歳まで運用していくと

        ⇒ 運用利率4%であれば75歳点で940万円の資産となる

     

 ★現実には運用利率4%安全資産はない(運用予測の限界)

        ⇒ 個人のリスク許容度を見極めたポートフォリオ構築のアドバイス

          が必要となります。  

 

単純化モデルから問題点を考えよう

上記モデルは非常に単純化したものです。実際には個人により複雑な問題が絡んできます。例えば、以下のような問題点があります。これらについて個別の面談によって掘り起こし、FPと一緒に考え解決していきます。

 

【こんなにある個々の問題点】

・リターンとリスクの設定は最適か? ・運用は予定通りいくか? ・退職金が少なかったら? ・退職金が年金払いだったら? ・退職金全額をローン返済にする? ・退職金返済でローンが残ったら? ・一括運用より積立運用にする?  ・積立運用利率と取崩運用利率は同じにする? ・住居費は老後いくらかかる?(リフォーム、買換え、賃貸など) ・老人ホーム入居費は? ・医療費や介護費用はいくらかかる(自分、配偶者、親)? ・子への援助は必要?(贈与、相続など) ・葬式・墓代はいくら? ・死亡時に財産はいくら残せる?・保険料は?(一括払済、見直し) ・収入がいくらから年金が減る(在職老齢年金)? ・定年後収入が予想より多くなかったら? ・仕事に就けなかったら? ・定年後に病気で働けなくなったら? ・定年退職後に失業給付をもらうと年金はもらえる? ・支出がもっと多くなったら?(生活費、臨時支出など) ・旅行費用は? ・自動車買換えは? ・配偶者が先に死亡したら?(配偶者遺族保障) ・途中で資金が切れたら? ・離婚したら?(係争中の費用、離婚後の収入など) ・想定より長生きしたら? ・定年時点で貯蓄がなかったら? ・定年までの資金はどう作る? ・資産運用は本当に必要? ・定年後に事業を始めるには?  等

 

●問題解決のために  個別相談はこちら

 

※ここに掲載した図表は、シミュレーションの前提となる条件が適正か、運用目標のリターン・リスクがその条件に最適かを問うものではなく、説明上単純化パターンを挙げたものです。

※ポートフォリオの予測数値は過去データをもとにしたもので、将来の損益を確定・約束するものではありません。

※特定の金融商品の販売、売買を推奨することはしていません。

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