ヒューリスティクス(近道判断)

運用ポートフォリオ 

■思考を停止させる「近道判断」の心理的行動 

 

●ブランドや権威で思考停止?

ここでは、投資運用のポートフォリオについて考えてみます。例えば金融機関や運用会社等で提示されるポートフォリオは、どこまで個人の資産運用にマッチしているか。「あなた用」のモデルポートフォリオ(年齢・収入等、個人の一般的な条件によって定型的に構築されるパターン化されたポートフォリオ)は、いくらでもあるとも言えるし、そんなものはないとも言えます。そこで惑わされるのは、行動経済学で「ヒューリスティクス」Heuristic)と言われるバイアスによるものです。 

 

退職金を一括でもらった退職者は、「一流」ファンドマネジャー、「トップ」成績のアナリスト、「最高」のリターン商品、「最新」理論とテクノロジー等々、これら「きらびやかな」ブランドや権威に眩まされて「あなた用」に提示された運用商品に身を委ねてしまいがちです。この心理的行動が、「ヒューリスティクス」です。 

 

権威っぽいものなら深く考えず、あるいは思考を停止して納得し、浅い自己の経験則から短絡的に判断し任せてしまいがちです。それが最短最良の判断(近道)であるとする心理によって起こる行動です。金融機関等のものが最初からダメということではなく、金融機関等だからすべて安心という思考停止の回路のことを言っています。 

 

●将来予測は確実ではない ?

ヒューリスティクスは「近道判断」とも言えるもので、権威や実績、経験値などから優良商品として代表されそうなもの(代表性)、高リターンが可能となりそうなもの(利用可能性)が選択判断の基準となってしまいます。そこにはよけいな判断は停止され、手間も時間も省け、一般投資家にとっては便利なものです。しかし、「あなたのため」に出されたポートフォリオは、権威とブランドと過去の実績のきらめきほどには将来の結果に反映しないかもしれません。 

 

ポートフォリオ自体に意味がないのではありません。過去の「平均」から導かれるポートフォリオ構築のアプローチ自体が、行動経済学の理論からしても全面的に盲信すべきものではないということです。運用における将来予測には確実な方法はなく、また個人にとってもあいまいな将来予測はそれほど重要ではないと知るべきです。

 

過去の平均を元にいくら寸分違わず設計通りにつくられたポートフォリオでも、それに迷わされる意味はあまりありません。それよりも個々のライフプランから個別のリスクを取り出して、個人の生き方や希望を反映した「自分なり」のポートフォリオを作った方が良いということがわかるでしょう。

 

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