2.メンタルアカウンティング(心の会計)

 退職一時金 

■目の前の現金を衝動的に使いたくなる心理的行動 

 

人は、目の前に思いのほかの大金を一度に置かれると、平常心ではいられなくなります。現金でなくても、銀行通帳に「30,000,000」という入金額を見たら、一時的にせよ舞い上がってしまうでしょう。言うなれば、この大金は尋常ではない、どこからか来た「僥倖」の褒美に思える。 

 

このように、僥倖的に手に入った金銭を「特別な勘定」と意識して行動することを行動経済学では、「メンタルアカウンティング(心の会計)」Mental Accounting)と呼びます。心の中で、それ用の勘定科目を設定して帳簿記入するわけです。 

 

例えばギャンブルで一儲けしたお金は、毎月の給与とは別収入として心の中で勘定書きされます。このお金を手にした人は、一夜で使い果たして1円も残らないこともありえます。なぜなら、普段手に入らない特別なお金だから使い切ってもいいのだと心情的に錯覚するからです。 

 

高額の退職金を受け取った人は、次から次へと買わなくていいものに消費しないではいられなくなる心情にとらわれます。何かに使わなければもったいない、だお金を使いきれていない、という強迫観念に駆られるのです。退職金をどう使うか途方に暮れた挙句、振り込まれた銀行の窓口に出向いて勧められるままに全額投資に回してしまいがちになります。大金を減らしたくない思いと、どう使っていいかわからない思いからです。 

 

退職金は、老後に計画的に支出すべきお金です。それができないのは、心の中にある「特別な勘定」に支配されるからです。これは退職一時金だけでなく、退職年金でもらう場合も同じです。もらった分の残高がなくなるまで使い込んでしまいたいという強迫観念を生むお金になっていくわけです。 

 

退職金は、「僥倖的な」お金ではありません。それは勤労の一部の対価が後からまとめて支払われたにすぎません。ローン返済、リフォーム、退職旅行など、一時的な支出に回すほかは、「通常生活費」として計画的に回るべき勘定としておくことが大事になってきます。

 

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