3.「必要生活資金」と「必要生活費」は違う

●老後資金不足「2,500万円」の根拠

ここで、必要生活資金ついて説明しておきます。「必要生活資金」「必要生活費」は違います。前回説明した「1億円」というのは、総支出としてかかる生活費のことです。 

 

よく、老後に必要な生活費は「2,500万円」(老後資金不足「2000万円」とか)などと言われます。では必要生活資金1億円と、この必要生活費2,500万円あるいは3,000万円などとの差額は何でしょうか。それは、見込める収入金額があることを前提としています。説明するまでもなく、老後の見込み収入の大部分は公的年金です。 

 

現行の公的年金制度では、60歳代前半から部分年金を受給している世代もありますが、男性は2025年、女性は2030年から完全に65歳からの受給となります。 

 

夫の50歳時の年収が600万円、妻は30歳で結婚するまで会社員、その後専業主婦というモデル試算で、90歳まで夫婦で生きるとします。夫は約4,950万円、妻は約2,450万円、合計で約7,400万円の生涯年金受給額となります。妻の厚生年金加入期間によっては、この試算よりは増減するでしょう。

 

収入見込み(年金7,400万円)から支出見込み(老後生活資金1億円)を差し引くと約2,600万円の資金不足です。この試算は男女とも平均余命よりも長生きした場合ですが、これが「2,500万円」の根拠です。つまり年金があと「2,500万円」あれば足りる、逆に言えば年金が「2,500万円」足りないということです。

 

もっとも、本当に不足しているのは年金だけでなく本人の「資産づくり」なのかもしれません。 例えば60歳までの資産額(貯蓄額)によっては、上記の不足額はだいぶ減少することがおわかりでしょう。

 

それはさておき、この「2,500万円」などという金額は、計算上だけの数字ではなく、何年か後に現実のお金として生活に影響を及ぼし血を流し肉をそぎ落としていくかもしれない生身の数字です。これは、まだ先のリスクともなる金額ですが、大事なのは、眼前のリスクとしてまずは意識していただきたいと思います。

 

→ 対策を考えよう 「ブログ New Street」

 

 

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