■一時払保険のメリットは?
基本的に「一時払い」の保険は、保険の意味があるかどうか、考えてみたいと思います。保険の最大のメリットは、少ない保険料でも契約保険金額をもらえることです。たとえば、月の保険料が1万円を1ヵ月しか払っていないのに死亡したとしても、その契約保険金が1000万円なら1000万円もらえるわけです。これが保険の最大のメリットで最大の魅力です。
もっとも、死んでしまって何の魅力かということがありますが、遺族にとっては、大変助かるものです。
■運用機能への期待はあるか
ところが、一時払いの終身保険の場合、先に保険金相当に当たる金額を払い込んでいるわけですから、たいしてメリットはありません。死亡しても、払った金額相当に近いお金が戻ってくるだけですから。これでは、貯金とあまり変わりません。では、一時払いの保険でのメリットとは、と問われると、それは運用機能への期待感でしょう。死亡保障が払った金額より増えるという期待、年金に切り替えた時も払った以上の年金原資(年金のもととなる積立金)となるという期待。
死んでも、生きてても、これで安心。それに、なにより保険金額は最低保証があるのだから、投資のように大損コクこともない・・・。確かにそうですけれど、これならなにも保険にしなくても、定期預金に入れておいても変わらないのでは、という状況になることもあります。
■1年ごとに1%アップの保証
当保険の場合、契約6年目から1%ずつ死亡保障の保証がアップしていきます。最長20年の契約ですから20年目には一時払金の115%が最低保証されます。これをもとに一般勘定(運用しない保険)へ移行し、定額の終身保険となります。また、契約途中から解約返戻金をもとに年金払いにも移行できます。
■コストもそれなりにかかる
こう書くと、本当に安心に思えます。ただし、この安心は自分で運用する特別勘定が20年で150%以上となる成績を残していえることです。さらに、当保険商品だけではありませんが、一時払いの変額保険や変額年金保険については、まずどれだけのコストがかかるかを見るのが大事です。
当保険では、契約時に払込金額の5%、契約後は保険契約関係費が毎年2.60%(10年で26%、20年で52%)、資産運用関係費が毎年0.1365%(実質投資信託でほとんど運用)かかります。
■運用効果と比べると
そこで運用する特別勘定の資産運用を見てみましょう。海外株式60%(米国株式と欧州株式が50%ずつ)、国内債券40%のバランスファンドとなっています。このファンドの運用成果は、この1年でマイナス0.50%(3月末現在)。
もちろん、1年だけで運用成績をうんぬんするつもりはありません。ただ、参考までに過去の指標から予測できるこのポートフォリオの平均成績は4%くらいです。これからコストを差し引くと運用益は1%くらいです。なんとか、最低保証率の数字と帳尻が合います。あくまで予測なので、そうなるとは限りません。ただ、運用で毎年4%以上の成績を残す自信がない場合は、保険は保険、運用は運用で分けて考えてみることもいいのではないでしょうか。
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【契約概要】
●死亡時最低保証率
契約日から起算して5年経過する年単位の契約応当日の前日までは100%。
以後、年単位の契約応当日ごとに、1%を加えた率(年単位の契約応当日における被保険者の年齢が85歳以上である場合は、その契約応当日の前日の率と同じ率)
●契約年齢
0歳~80歳
●一時払保険料
200万円~5億円
●契約時費用
基本保険金額に対して5.0%
●保険契約関係費
特別勘定運用期間中:特別勘定の資産総額に対して2.60%
[特別勘定]
●特別勘定
DIバランス型 DIAM世界アセットバランスファンド5VA
(適格機関投資家限定) DIAMアセットマネジメント
●資産運用関係費用
(年率) 0.1365%(税込)