■2つの機能重視オプション
特徴としては積立機能重視(オプションA)と保障機能重視(オプションB)の2つがあります。この違いは運用成績が3.5%を超えないと、金額的な差は出てきません。3.5%を超えてプラスになれば、オプションAでは変動保険金額を減額することができます。当初の保険金額をそのままに、分配金のようにお金が戻ってきますから得した気がします。保障額は必要以上にかける必要はないわけです。といっても、3年間運用して成績が7%アップしても1,000万円の変動保険金額のうち減額できるのは2万円程度なんですが・・・。
■機能の差はいうほどあるか
「積立機能」というのは、分かりやすく言えば解約返戻金額、「保障機能」というのは死亡保険金額です。「重視」というからには、その差額が気になります。販売資料には35歳男性で1,000万円の基本保険金の契約をした場合(月額保険料は19,190円)が示されており、運用実績が7.0%を超えた場合の25年後(保険料払込期間60歳まで)の金額が出ています。
死亡保険金は、オプションAでは1,414万円、オプションBでは1,570万円。解約返戻金は、オプションAが1,028万円、オプションBが964万円。それぞれの差額は、積立機能重視で156万円、保障機能重視で64万円。取り立てて「重視」というほどの金額ではないような気もします。7%運用では、オプションAで30年間の払込保険料累計が575万円、それに対して解約返戻金1,376万円です。1,000万円の保障機能がついてこの金額なら、「まあ、良しとするか」と思われるでしょう。
■1%ずつ組入れ替え
運用実績については、特別勘定8つの中から選択できることになっています。株式型、日本成長株式型、世界コア株式型、世界株式型、債券型、世界債券型、総合型、短期金融市場型。保険に入る人みんなが皆、資産運用に詳しいとは限りません(資産運用に向いている人は、保険商品と運用商品を別個にして購入するでしょう)。各特別勘定の組入れ比率は1%単位で変更でき、年12回までは他の特別勘定に乗り換え自由です。といっても1%単位で組入れ比率を変更というとファンドマネジャー並みなんですが・・・。
■物足りるか? 運用実績
2012年1月現在、特別勘定設定来の運用実績が7%(年率)を超えているのは8つのうち世界株式型のみ(1995年5月設定来8.2%)です。次が債券型で4.7%(1986年11月設定)、その次が総合型で2.8%(1986年11月設定)。世界株式型はこの6ヵ月に限っては▲9.0%で、変動が激しくなっています。成績のよい世界株式型と債券型を分散として組み合わせるとしましょう。組み合わせは自分で考えるせよ(それでも悩みます)、この2つのファンドを選択することでコスト(信託報酬)が約2%もかかってしまいます。これは通常のバランスファンドよりも結構高めになります。1つに絞るにはリスク分散が利かないし、総合型では物足りないというところでしょうか。
■ほったらしかしにできない保険か
ほったらかしにせず20年、30年にわたって、1%刻みでチェックしてファンドを乗り換えていく技が、この変額保険(および変額年金保険)契約者に求められます。そこまでするなら、いっそ運用のみにした方が同じ運用実績でも儲かりそうですが、そこが「保障と運用」を兼ね備えるという意味なのでしょう。
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【契約概要】
●契約年齢範囲
0~85歳
●保険期間
終身
●保険料払込期間
3・5・10・15年、55~85歳(5歳きざみ)、終身払込
●保険料払込方法
年払・半年払・月払
●最低保険金額
200万円
●配当方式 :無配当
●保険料例
契約例のとき
30歳 15,220円
35歳 19,190円
40歳 25,310円
45歳 35,770円
●特別勘定資産の1単位当たりの指数値
株式型:91.06
日本成長株式型 : 106.25
世界コア株式型:100.12
世界株式型:311.33
債券型:319.60
世界債券型:135.39
総合型:207.61
短期金融市場型:102.23