4.雇用延長でも老後リスクはなくならない

●雇用延長で給料半減も

老後資金の大部分を占める年金収入について見ましたが、唯一頼りの綱となる年金が当てにならないとどうなるのでしょうか。

 

たとえば1955年生まれの生涯年金給付額は厚生労働省の試算に比べ約350万円、60年生まれで約1,000万円、65年生まれで約1,700万円、70年生まれではなんと約2,150万円も減額するという試算があります。これはあくまで、公的年金の積立金を2100年まで持たせるためにマクロ経済スライド係数を適用した試算額ですが、現在40代後半の男性の年金収入は将来4割も減額するとも言われています。つまり、その差額分だけ老後の必要資金が増えるわけです。

 

年金については後で詳しく見てみたいと思います。仮に60歳で定年退職したとして、その後も雇用延長されれば、この年金収入減少分を最小限に食い止めることができるでしょうか。2013年からの改正高齢法(高年齢者雇用安定法)により65歳まで雇用延長できたとして、60歳までの給与がそのまま継続してもらえるかというと、たいていの場合、4割、5割減額されます。

 

●定年なしで低賃金で働く

企業側としては、改正法の雇用延長により、社員の生涯給与が従来と差がつかないように生涯給与体系を見直しています。つまり、社員の給与は今後定年が延長しても総給与収入を「ならして」しまえば変わらないことになります。この改正法は年金の空白期間(60歳台前半)を埋めるための施策にすぎないのですから、賃金について高く望めないことは覚悟しておいた方がいいでしょう。

 

一方、中小・零細企業や個人事業に近い会社は、定年なしでも気力・体力・能力・経験さえあれば半永続的に(?)、つまり本人が辞めるというまで雇用を続けられるところがあります。そのような会社はもともと大企業に比べて給与が低く設定されていますし、退職金もそれほど見込めないところが多いようです。給与を反映する厚生年金もそれほど期待できず、万年人出不足で、新卒や若手入社組の替わり手がなかなか入ってこないという事情があります。

 

→ 対策を考えよう 「ブログ New Street」

 

 

 

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