金融7. 転換社債

相談者のプロフィール

前回までに、株式、債券投資と挑戦し続けた商社勤務のL子さんは、転換社債(CB)にも強い興味を持ち出した。そこで、都市銀行勤務の友人から転換社債を紹介された。

相談事例

友人から次の転換社債を薦められましたが、この投資価値をどうやって判断したらいいか分かりません。どちらの転換社債を購入したら有利か教えて下さい。

FPの回答

転換社債は、「債券としての安全性」と「株式としての収益性」を兼ね備えた金融商品といえます。
L子さんが紹介された転換社債は次のものです。

 

残存

期間

表面

利率

単価

最終

利回り

転換価格

株価

X社転換社債

6

1.80%

96.00

3.2%

500

400

Y社転換社債

4

1.20%

112.00

1.1%

1,600

2,000


.転換社債の評価
パリティ・・・・株価から見て、転換社債がそれだけの価値を持って当然であるという転換社債の「理論価格」です。この値が大きければ、株式としての価値が高いといえます。

パリティ(円)=株価÷転換価格×100

X社転換社債 =400÷500×100 =80(円)
Y社転換社債 =2,000÷1,600×100 =125(円)

 

パリティカイ離率・・・・転換社債の実際の価格(時価)とパリティとの差を具体的に数値で示したものです。転換社債の時価がパリティ(理論価格)に対して、何%高いか、低いかを示すものです。(理論価格からみてCB時価がどれだけ離れているか。)

パリティカイ離率 ()(転換社債の時価 -パリティ)÷パリティ×100

X社転換社債 =96 -80)÷80 ×100=20()
Y社転換社債 =112-125)÷125×100 =10.4(%)


*
X社の転換社債は、株式市場から直接株式を買付けるよりも、転換社債を転換して株式を取得するコストのほうが 20%割高ということになります。 Y社の転換社債は、逆に10.4%割安ということです。

.
投資判断
カイ離率がプラス(割高)・・・・X社転換社債は、株式に転換して売るより転換社債のまま売ったほうがプレミ アムが付いている分、有利です。
カイ離率がマイナス(割安)・・・・Y社転換社債は、転換社債のまま売るよりも株式に転換して売ったほうが有利です。同じ銘柄の株式を購入する場合は、株式そのものを株式市場で購入するよりも、転換社債を購入して株式に転換したほうが有利です。

.
転換社債の下げのメド
転換社債は株式と違って、どこまでも価格が下がることはありません。転換社債の価格が下がってくると、逆に利回りが上昇してくるため、債券としての利回り面で有利になり、一定の価格で下げ止まるようになります。そのため、前もって、値下がりリスクを計算できます。この下値は、次の価格となります。

CB価格 =100+利率×残存年数)÷(100+最終利回り×残存年数)×100

X社CB =100+1.8%×6年)÷(1003.2%×6年)×10092.9(円)
Y社CB =100+1.2%×4年)÷(100+▲1.1%×4年)×100109.6(円)


*
X社CBは、92.9円より価格が値下がりすると、転換社債としての最終利回りが3.2%を超えてくるので、株価よりも利回り的に債券としての価値が出てきて、92.9円程度で下げ止まります。同様にY社CBは、109.6円程度で下げ止まります。

コメント

パリティパリティカイ離率は、重要です。CB価格の出し方も重要ですから覚えて下さい。買付け代金と売付け代金の出し方、税金についても整理して下さい。

 

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