保険9. 交通事故の遺族補償

相談者のプロフィール

専業主婦であるF子さん(44歳)は、先月、夫(当時45歳)を勤務中の交通事故で失った。夫の契約者名義の生命保険のほかに、交通事故傷害保険が契約されており、被保険者もそれぞれ夫となっている。遺族は、F子さんのほかに高校受験前の長男T君(15歳)がいる。F子さんは、いまだ傷心さめやらぬ表情で相談に訪れた。

相談事例

夫の死亡により受け取れる年金や保険金、補償給付金などがあり、これからの生活は何とかやっていけそうでひとまず安心しております。ところで、これらの受取金額の税金についてはどのようになっているのでしょうか。

FPの回答

F子さんが夫の死亡により受け取ることのできる保険金、補償給付、年金などの税金について整理してみます。

.給付の種類と課税

 1.労災保険の遺族補償給付
非課税
勤務中の事故のため労災保険給付の対象となります。
遺族厚生年金が支給される場合は、所定の割合で減額されることになります。また、第3者から損害賠償金を受け取った場合、3年間、労災給付は行われません。

2
.公的年金の遺族年金
非課税
遺族厚生年金遺族基礎年金が給付されます。
遺族基礎年金は18歳未満の子がいる場合は、以下の給付額となります。

 

基本額

加給額

合計

子が1人いる妻

788,900

227,000

1,020,000

子が2人いる妻

788,900円

454,000

1,247,900

子が3人いる妻

788,900

529,600

1,323,800

*上記の給付額に遺族厚生年金が合算されます。

 

3.交通事故の賠償金
非課税。
交通事故の相手方から受け取る賠償金です。
自賠責保険の支払い限度額は、死亡による損害の場合は1名につき3000万円です。それを超える補償額については相手方の自動車任意保険によって補償されます。

4.
死亡退職金
相続税。
F子さんの夫の勤務していた会社から遺族に支払われます。
ただし、500万円×法定相続人の人数」が相続税の対象から控除されます。

5.
生命保険の死亡保険金
(F子さんの夫が契約者及び被保険者の場合)
相続税。
ただし、交通事故傷害保険の死亡保険金と合わせて500万円×法定相続人の数」が相続税の対象から控除されます。

6.
交通事故傷害保険の死亡保険金
労災給付や公的年金給付との間で保険金の調整は行われずに給付されます。

(F子さんの夫が契約者及び被保険者の場合)
相続税。
ただし、生命保険の死亡保険金と合わせて500万円×法定相続人の人数」が相続税の対象から控除されます。


.交通事故傷害保険

「傷害」とは
傷害保険から保険金が支払われる場合の「傷害」とは、「急激」「偶然」「外来」の3要素を備えた事故により、身体に負った障害(死亡を含む)のこと。
「急激」・・・突発的に発生した事故から傷害を受けるまでの間に時間的間隔がない。
「偶然」・・・事故や傷害が予知されない。
「外来」・・・傷害の原因が身体の外からの作用による。

傷害保険の保険は、健康保険、生命保険、労災保険、加害者からの賠償金とは関係なしに支払われます。


.保険金受取時の税金
個人契約では、基本的に生命保険の受取時の課税と同じです。
この事故では、F子さんの夫が保険の契約者(保険料負担者)で被保険者でしたが、他の場合は、課税が異なってきます。

  保険料
  負担者

被保険者

受取人

税金


(又は子)

相続税

所得税

贈与税

勤務先
法人


(又は子)

相続税

死亡保険受取人が指定されていない時は、被保険者の法定相続人(妻F子さん、長男T君)が死亡保険金受取人となり、法定相続分の割合で支払われます。

コメント

遺族の老後資金の運用としては、F子さんのように運用期間がまだ比較的長期にわたる場合は、株式、投資信託、変額年金など利殖性金融商品を一定割合組み入れることも考えられます。

 

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