6.相続対策設計

相談者のプロフィール

資産家のW氏の財産はほとんど不動産で、課税価格は4億円。W氏は相続税の納税資金対策として、生命保険に加入。家族構成は、W氏のほか、妻、長男(32歳、既婚)、長女(28歳、既婚)の4人家族。
加入した生命保険は、
1億4000万円。契約者・被保険者:W氏、受取人:妻

相談事例

現時点で、私に万一のことがあって相続が発生した場合、相続税額はいくらになりますか。私の財産の大部分は、妻と、事業を継ぐ長男に残したいと思っています。その際、遺産分割で問題がないように遺言するには、どういうことに気をつければいいですか。また、二次相続の資金対策についても教えてください。

FPの回答

現時点で、W氏の死亡により相続が発生した場合に、生命保険契約を含めた資金対策を考えてみます。

相続税納税額の算出
課税価格の計算  

課税価格+(生命保険金額-非課税価格*

・・・*非課税価格は、(500万円×法定相続人数)

4億円+{14000万円-(500万円×3人)}=52500万円

 

課税遺産総額

課税価格-基礎控除額*・・・*基礎控除額は5000万円+1000万円×法定相続人数

52500万円-(5000万円+1000万円×3人)=44500万円

  

相続税の総額(税額は相続税額の速算表より算出)

妻・・・・・44,500×1/2×50%-3,520=7,605万円
長男・・・44,500×1/2×1/2×40%-1,520=2,930万円
長女・・・44,500×1/2×1/2×40%-1,520=2,930万円
(合計)1億 3465万円

 

実際の納付税額・・・・W氏の奥さんには、「配偶者の税額軽減の特例を最大限活用することにより、税額はゼロになります。したがって、実際の各人の納付税額は、=0、長男 =2930万円、長女 =2930万円、相続税額合計は 5860万円です。

遺言作成上の注意
代償分割
①W氏の奥さんは、「配偶者の税額軽減の特例」により相続税がゼロになりますから、納税資金準備のためには、保険金の受取人を現在の「妻」から「長男」に変更します。つまり、奥さんは不動産中心、長男は受取保険金(納税資金)中心とします。
②長男は、受取った保険金を納税資金とし、一部を代償交付金として長女に交付します。
③生命保険金を代償交付金として交付した場合、長男が相続で取得した財産の価額から控除することができます。

遺留分減殺請求権
W氏の奥さんのほか、受取人変更で長女が生命保険金を受取った場合でも、生命保険金は本来の相続財産ではない(みなし相続財産)ので、遺留分減殺請求権の行使を行う可能性が出てきます。

二次相続の納税資金対策
上記の契約のほかに、次の保険契約をした場合を考えます。
終身保険: 8000万円 、年払保険料:200万円
一次相続の納税資金対策20年後に発生と仮定)・・・・<契約者・受取人:W氏、被保険者:妻>の契約

生命保険契約に関する権利の評価額
=相続開始までの既払込保険料の額×70/100-保険金額×2/100

200万円×20年×70/1008000万円×2/100=2640万円

 

この契約を引継いだ者が、2640万円を相続または遺贈により取得したものとして、相続税が課税されます。この場合、同額を現金で保有したのに比べ、上式で 見るとおり 相当割合低く評価されて課税価格に取り込まれます。(節税効果)
二次相続の納税資金対策30年後に発生と仮定)・・・・<契約者・受取人:W氏から長男に変更、被保険者:妻>の契約

一時所得 =(保険金-払込保険料総額-50万円)×1/2

8000万円 -200万円×30年)-50万円}×1/2= 975万円

 

  975万円所得税・住民税が課税されます。(所得税型
契約者・被保険者:妻、受取人:長男>の契約だと相続税がかかり、税負担が重くなります。(相続税型

 

コメント

相続と複雑に生命保険が絡んでます。このように「保険」と「相続」が絡み合った事例はよくあります。

 

 

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