働き口がないというリスクをどうするか

 働く場所があればまだいい方です。深刻なのは、60歳きっかりで仕事がない場合です。何らかの理由で雇用延長できなかった完全リタイア組は、公的年金受給が始まる65歳まで無収入であれば退職金や貯金を取り崩していくしかありません。5年間の無収入期間、「年金空白」期間の「収入の機会喪失額」、つまり本来得られるべき収入が入ってこなくなる金額は、仮に定年時の収入を月額50万円とし雇用延長後の月収をその5割とすると、1500万円(25万円×12か月×5年)にもなります。 

国は、このような「年金空白」世代をなくすために高齢者の雇用延長制度を義務付けたのですから、誰でも60歳以降も働ける権利があるわけです。しかし、この制度では収入減もさることながら。必ずしも本人が希望する仕事に就けるとは限りません。 

60歳過ぎて無収入でも安泰な人というのは、現役時代に高収入、高退職金の人に限られます。60歳以上で同一企業に勤められるのは5割程度と言われています。同一企業だからといって、60歳過ぎて希望の職種と収入にありつける人はわずかと言われています。むしろ、配置換えで意に沿わない仕事、今までとは逆転した上下関係の立場などでストレスをため、雇用延長しても12年で最終定年を決意せざるを得ない人も出てきます。同一企業以外の会社に再就職した場合も、こうした事情は変わりません。 

60歳以降の給与収入減については雇用保険法の高年齢雇用継続給付があります。これは、60歳時点の給与に比べて60歳以降の給与が75%未満に減額すると最大15%の給付が見込めるものです。よく知られていませんが、この制度では年金法による一定額の年金停止と合わせ技となりますが、給与収入減の多少の歯止めとなるものです。 

たとえば、60歳時の月収が40万円で、60歳以降の月収が半分の20万円となった場合、この制度で見込んだ給付額はおよそ3万円(20万円×15%)、年金停止額は1.2万円(20万円×6%)、トータルの増額分は1.8万円(月額)です。 

老後も会社に頼らず独立・起業する人は別として、一般のサラリーマンとしては、たとえ給与収入が半減したとしても働く場所と収入があることに満足しなければなりません。むしろ、現役時代のように頑張りすぎずに残業もせず、余裕を持って残りの会社生活を楽しむ程度の気持ちでいた方がいいのかもしれません。もちろん、そのためには生活に窮しない程度のお金があれば、ということです。 

問題は、60歳代前半で最も多い世帯収入である月収2030万円で、いかに貯蓄を減らさずに過ごしていくかです。

(2014.07.08)


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