21世紀型バブルはまた、いつ来て、いつ弾けるか

踊る! バブルの時代

 

サブプライムローン問題に関する本はいくつか出ていて、読んでもみました。新聞でも雑誌でも特集記事が出ていますから、一般的なことは分かります。しかし、この問題がバブルの本質に関わっていると深く踏み込んだものはあまりないようです。

その中で、半ば定番になりつつある本があります。『すべての経済はバブルに通じる』(小幡積・著 光文社新書)。数カ月前に読んだものです。読み返していて、この著者は本当に、ものごとの本質が分かっている人だなと思います。難しい内容をより難しく、簡単なことをもっと難しく、ちょっとわかりにくいことをそれなりに分かりにくく、教科書的なことは教科書のように書く“頭のいい人”はいっぱいいます。えてして、そういう著者は、引用の引用で、元ネタ本をいくつか手元に置いているのでしょう。しかし、小幡氏のこの本を読んでいくと、あたかも手に取って調査し、体験し、自明のように自説が展開されていきます。

おかげで、多少はバブルの本質的なことについて分かってきました。今回のサブプライムローン問題は、アメリカ発祥のバブルです。みんなが皆、バブルと分かっていて、バブルのはしごから下りられなかったのです。特に、その道のプロ(金融業界)ほど。

思えば、1980年代の日本で最初のバブルも異常でした。こんなことが長く続くはずがないと思いつつも、皆が夢に浮かれていたのです。いや、浮かれているふりをしていたのです。いつ、泡が弾けるかびくびくしながらも、まだ大丈夫、まだ大丈夫、少なくとも自分がいい目を見るまでは・・・、とバブルが続くのを願い、踊っていました。
 

21世紀型バブルは、どうやって避けられるか

最初のバブルの後も、ITバブル、そして今回の住宅バブルと、バブルは繰り返されてきました。これからも形を変えたバブルが繰り返されるでしょう。小幡氏は、今後起こりうる21世紀型のバブルを「キャンサー型キャピタリズム」における「リスクテイクバブル」と名づけています。つまり、金融資本が自己増殖していく癌(キャンサー)ようなバブル、サブプライムローンの証券化に見られるように、金融工学を応用して進んでリスクを取っていく(レバレッジ型の)バブルです。

この21世紀型バブルは、まだ始まったばかりだと小幡氏は告げています。これからも、実体経済に大きな悪影響を及ぼすバブルは起こりうると警鐘を鳴らしています。それに対して、私たちはバブル崩壊のこの激しい苦悶から逃れることはできないのでしょうか。それについて著者は明言してません。

解決法は、この1~2年、アメリカはじめ世界、日本でもどういうことが起こり、どういう行動をとったかを検証してみることで、あることが見出せるかもしれません。住宅価格高騰、サブプライムローンでの借入れ、金融機関によるローンの証券化、こうした流れの現象は一個人では止められません。しかし、この現象下では、所得に合わないローンは組まない、分かりにくい証券は無理に買わない、という当事者としての最低限の経済行動は取れたかもしれません。ただ・・・、バブルがバブルと分かっていて、乗り遅れるまいという衝動的な行動となると、なかなか止められるものではありません。

(2009.04.14)

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